果たしてWindows 11は10から進化しているのだろうか?
A. してます。
~完~
...これじゃ面白くないので、どうしてこんな考えに至ったのかという点も踏まえて記事を書いていこうと思います。
どうしてこのように考えたのか?
Windows 11はご存じの通り2021年10月にリリースされた現状最新OSです。
TPM2.0、Secure Boot、UEFI、Intel Coreシリーズ 第8世代以降 or AMD Ryzen Zen+以降が必須となり、みんな必死に抜け穴探して無理やり古いのに入れてる必然的に機器更新が必要となったOSなわけですが、実は10とそんなに変わらない点も多くあります。
変わらない点はいくつかありますが、一番進化してるのか怪しいと考えたときに真っ先に思いつくのが内部バージョンです。
今ではあまりWindows NTという言い方はしないし、Microsoftもあんまりその言い方は好んでませんが、現在に至るまでメインストリームのWindowsはNT系列の流れを汲んでいます。
かつてはMS-DOSからWindows Meまでの所謂9x系とその直属、Windows NT 3.1から続くNT系で分かれていましたが、XP以降NT系に一本化されています。
Windows VistaでMinWinという仕組みを作り、実質的なカーネルの呼び方はそれが正しいかと思いますが、一応NTの流れは汲んでいるので私は今でもNT系として扱っています。
そしてこれが割と大きく関係しています。
まずはこの一覧をご覧ください。
・Windows XP:NT5.1
・Windows Vista:NT6.0
・Windows 7:NT6.1
・Windows 8:NT6.2
・Windows 8.1:NT6.3
・Windows 10:NT10.0
・Windows 11:NT10.0
詳しい方ならわかると思います。これはWindowsの内部バージョンです。
コマンドプロンプトを開くと一番わかりやすいですね。
そしてWindowsのバージョンが上がるごとに内部バージョンも上がっています。
...と思いますよね?
よくご覧ください。
...
・Windows 10:NT10.0
・Windows 11:NT10.0
そうです。
10と11は内部バージョンが全く同じなのです。
つまるところ、本質的な(カーネルレベルでの)違いはほとんどないということです。
8→8.1ですら内部バージョンは一つ上がっています。
しかし10→11では変わっていません。
ここから察するに、11は見た目を大幅に変えた10ということができます。
そしてこの理論は半分正解であり、半分間違いです。
確かにWindows 11は10の要素を多く残しています。
例えばパスワードバイパスで有名なsethc.exe置き換えでwinlogon.exe上にcmdを召喚し、explorerを立ち上げるとあら不思議。Windows 10のタスクバーが出てきてしまいます(22H2正式版では未検証)。
さらに言えば、ファイルマネージャーとしてのExplorerもまだ10の要素が残っています。
コントロールパネルを開き、アドレスバーで適当なファイルパスを指定するとWindows 10時代のリボンのままのエクスプローラーウィンドウが出てきます。
これはシステムとして見た目を変えるパッチをあてるよう指定しており、それによってExplorerの見た目を変更しているからです。
そのキーを無効にする(実際にはそのパッチをブロックするようなキーを追加する)と、完全にWindows 10時代のエクスプローラーウィンドウに置き換わります。
一方、ドライバの書き方が変わったり(昨年のMicrosoft Build 2022でお話を聞きました)、Intel 第12世代 Alder lake以降のP-Core/E-Core(所謂big.LITTLE構造)の扱いに最適化されたりと、10と単純に変わっていないと言うのも早計です。
しかし、私としてはやはり内部バージョンが変わっていないこと、そしてUIもところどころ(それも広い範囲で)10の要素を残しているということで、進化をしていないと考えてしまいます。
さらに言えば、Windows 10 64bitが快適に動く環境であれば比較的サクサクと動いてしまうこと(非公式環境としてインストールしてもCore 2 Duo以降、理想としてはSandy Bridge以降)をみると尚変わらないじゃないかと思ってしまいます。
余談
NT10.0から変わっていないWindows 11ですが、これはNT10.0があまりにも素晴らしいカーネルだからだと思います。
これに関しては詳細な説明は難しいですが、Windows 10登場の際から言われていたことでした。
詳細は毎度人に話すたびにお勧めしているmegumi sakaueさんの動画がありますので掲載させていただきます(時間指定を入れています)。
megumiさんの話している通り、当初からNT10.0は完成度の高い、素晴らしいカーネルとしてリリースされました。
しかし、当時不評だったMetro(Modern UI)の部分的な続投、さらに話していませんが当時話題になった強制アップグレードにより、10は意外と叩かれてしまっていたのでした...。
Windows 10のリリースから8年目を迎える2023年。
見てみれば次期バージョンのWindows 11にも同じカーネルが採用されています。
さすがに8年も経つと細かいところは変わっていますが、根本は変わりません。
NT10.0の特徴として、その安定性にあると考えられます。
「いやいや、どう見てもトラブルとか多いじゃないか」と思うかもしれませんが、カーネルレベルでは非常に安定しています。
というより、一昔前ではやったらほとんど再インストールコースだったことを今では平気にできます。
Windows Updateの再起動中に電源落としても大半は何事もなく復帰しますし、全く異なる構成に入れ替えても普通に起動してきてそれなりに使えてしまいますし、一昔前と比べて障害耐性は格段に上がっています。
これだけ安定していてかつ普及しているカーネルならば、Microsoftとしてもあまり大きな変更を加えずにずっと維持したいと思うでしょう。
私自身知見が豊富な方ではないので説明は難しいですが、NT10.0のすばらしさはわかる人にはわかると思います。
もし今後Windows 12が出るとしても、ベースはNT10.0になるか、もしくはNT10.0をベースに改良を加えたものになると思います。
まとめられないまとめ
Windowsは割と一部からたたかれたり、一般人からも文句を言われることの多いOSですが、非常に素晴らしいOSです。
想像してみてください。
Windows 11では東方紅魔郷(2000年ごろリリース)がプレイできます。
果たして同じようなことがLinuxやmacOSで可能でしょうか?
個人的な感想ですが、UNIX系で古いソフトウェアを動かすと動かないか、もしくは非常に不安定な状態になってしまいます。
一方、Windowsでは下手するとWindows 95時代のソフトウェアやドライバも動いてしまいます(設定にもよりますが...)。
これはOSとしてみるととんでもないことだとわかります。
この圧倒的互換性、障害耐性、安定性こそがWindowsが世界中で使われる一因となっていると私は思います。
私は過去にmacOSも、Linuxの様々なディストリビューションも触ってきていますが、ここまで後方互換の強いOSは見たことがありません。
話が脱線しましたが、Windowsは進化をしていないように見えて、実際にそうかもしれないけど、でも細かいところで大事な進化をしている。
そんなところではないのかなと思いました。
今回は取り留めのなさすぎる文章でした。
以上です。
さとくん